Sho Time イングリッシュは、米メディア記事全文和訳で、大谷翔平選手の新着ニュースをより詳細にお伝えするサイトです。
今回は発音のレッスンです。
メジャーリーグのチーム名の末尾を「ス」と読むか「ズ」と読むか。
実は多くのカタカナ語の表記と同様に間違って表記されていることが多いという話です。
そもそも何故球団名に複数の”s” が付くのか
球団名には必ず末尾に “s” がつきます。
これは名詞の複数形につく”s” です。
何故か。
チームというのはメンバーが何人もいる集合体だからです。
shoes「くつ」jeans「ジーンズ」sunglasses「サングラス」scissors「はさみ」などは、左右1セットであったり、刃やレンズが2枚1セットになっていたりする名詞は必ず複数形で表すのと同じです。
Hideki Matsui started his new career as a Yankee in 2003.
ヒデキ・マツイは2013年ヤンキースの選手として新たなキャリアを始めた。
のように、ある1人のヤンキースの選手を言及するときは a Yankee と単数形で表します。
チームになると Yankees と複数になります。
全てのチームについて1人の所属選手をその単数形で呼ぶかというとそれは定かではありませんが、日本でも Tigers や Hawks の若い選手を「若虎」や「若鷹」と呼んだりするように、基本的には「虎」たちが集まって Tigers になっているという考え方です。
ちなみに英語がチーム名であることがほとんどの競技、つまり、野球・バスケットボール・アメリカンフットボールなどのチーム名はこの考え方に準じて、たいてい末尾に “s” 、日本語で「ス」や「ズ」がついていますが、サッカーのチームに関していえばこれにはあてはまりません。
Jリーグで言うと、浦和レッズや鹿島アントラーズくらいかな?
(エスパルスの「ス」は複数の s の「ス」ではありません。)
これは、サッカーが英語に限らず多言語をベースにしたスポーツであり、そのチーム名は英語以外の言葉であったり造語であったりすることが多いのが理由のようです。
語尾の “s” の発音ルール
さて、この名詞の複数形につく “s” の読み方ですが、実はルールはとても簡単なのでメジャーの球団名を使って覚えてしまいましょう。
(動詞の三人称単数現在につく “s” も同様です)
カタカナ発音で十分です!
[k] [p] [f] ( ク、プ、フ) の音の後の “s” は [s](ス)と発音する
これらの音を【無声音】と言います。
末尾の “s” を「ス」と発音するのは「クス」、「プス」、「フス」だけなので覚えてしまえば簡単です。
たとえば、こんなふうに。
Boston Red Sox
ボストン・レッドソックス
Chicago White Sox
シカゴ・ホワイトソックス
Oakland Athletics
オークランド・アスレチックス
Arizona Diamondbacks
アリゾナ・ダイヤモンドバックス
ちなみに、Red Sox、White Sox の “Sox” は通常 “socks” と綴ります。
「ソックス」なので、上に書いたように左右1セットの名詞で最初から複数形になっています。
[t] (トゥ)+ “s” = [ts] (ツ)に、[d](ドゥ)+ “s”= [ds](ズ)になる
「トゥス」ではなく「ツ」、「ドゥス」ではなく「ズ」とくっついてしまいます。
たとえば、こんなふうに
New York Mets
ニューヨーク・メッツ
Cincinnati Reds
シンシナティ・レッズ
Pittsburgh Pirates
ピッツバーグ・パイレーツ
San Francisco Giants
サンフランシスコ・ジャイアンツ
[s] [z] [ ʃ ] [ tʃ ] (ス、ズ、シュ、チ) の音の後の “s” は [iz](イズ)と発音する
正確に言うと、語尾は”s” ではなく “es” の綴りがつきます。
メジャーのチームにはこの綴りは残念ながらなかったのですが、次のような単語を例として参照してください。
boxes ボクスィズ
watches ウォチィズ
dishes ディシィズ
その他は全て [z] (ズ)と発音する
母音を含む【有声音】、実はこれがほとんどなので、上記のパターンを覚えてしまって他は「ズ」と覚えるのが簡単です。
そして実はこのパターンでは、日本で一般的にカタカナ表記として定着しているメジャーリーグのチーム名に間違って読んでいるものが多いのです。
次の青字の部分は正しく表記されています。
Baltimore Orioles
ボルチモア・オリオールズ
Tampa Bay Rays
タンパベイ・レイズ
Toronto Blue Jays
トロント・ブルージェイズ
Kansas City Royals
カンザスシティ・ロイヤルズ
Minnesota Twins
ミネソタ・ツインズ
Houston Astros
ヒューストン・アストロズ
Seattle Mariners
シアトル・マリナーズ
Texas Rangers
テキサス・レンジャーズ
Miami Marlins
マイアミ・マーリンズ
Philadelphia Phillies
フィラデルフィア・フィリーズ
Washington Nationals
ワシントン・ナショナルズ
Milwaukee Brewers
ミルウォーキー・ブルワーズ
Colorado Rockies
コロラド・ロッキーズ
次の赤字の部分は間違っています。全て「ズ」が正しい読み方です。
Cleveland Indians
クリーブランド・インディアンス
Detroit Tigers
デトロイト・タイガース
Los Angeles Angels (of Anaheim)
ロサンゼルス・エンゼルス(・オブ・アナハイム)
Atlanta Braves
アトランタ・ブレーブス
Chicago Cubs
シカゴ・カブス
St. Louis Cardinals
セントルイス・カージナルス
New York Yankees
ニューヨーク・ヤンキース
Los Angeles Dodgers
ロサンゼルス・ドジャース
San Diego Padres
サンディエゴ・パドレス
いかがでしょうか。
実は「ヤンキース」の正しい発音は「ヤンキーズ」なのです。
いつからどのようにしてこれらの間違った読み方が定着したかはわかりませんが、(おそらく野球そのものが日本に伝搬した明治時代にさかのぼるのでしょう)カタカナ・イングリッシュの一部としてすでに日本語の中に定着してしまっていますので、まぁ、これはこれでいいのではないのでしょうか。
英語を話すときだけ、正しく発音できるようにしてくださいね。
Sponsored Link