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『野村克也からの手紙』【読書レビュー】ノムさんが見た大谷翔平とは

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Sho Time イングリッシュ運営者のMami.です。

 

現在 アプリ Sportsnavi で連載中の『野村克也からの手紙』 は皆さん読まれているでしょうか。

野村氏が恩師や教え子、家族との交わりから得たことを、彼らへの手紙という形式で紹介する。手紙の形をとることで、特別な存在に向けた選ばれた言葉が使われ、著者の本心、または愛情がより読者に届くのではないか。その手紙は読者への言葉としても読み取れ、著者が本当に伝えたい、野球や人生の教訓を後世に残すことができると考えました。(ベースボール・マガジン社)

 

無料コンテンツとは思えない素晴らしい連載で、まさに戦後の日本プロ野球史の生き証人であるノムさんこと野村克也氏の証言であり、野球論であり、人生論であり、愛の言葉であり、感謝の言葉であり、悔恨の言葉であり。

それぞれが手紙形式なので長くはないのですが、ギッシリと日本のプロ野球が詰まった銘文中の銘文ばかりです。

 

このコンテンツは、もともと6月に出版された同タイトルの単行本からの抜粋です。

 

スポーツナビのコンテンツには、

  • 稲葉篤紀様 侍ジャパン監督を務める君へ
  • 田中将大様 30歳になる君へ
  • 大谷翔平様 未知の世界を行く君へ
  • 江夏豊様 寂しがりの君へ
  • 古田敦也様 第二、第三の人生を歩む君へ
  • 新庄剛志様 宇宙人の君へ
  • 鶴岡一人様 恩師の貴方へ
  • 杉浦忠様 エースの君へ
  • 長嶋茂雄様 天才の君へ
  • 王貞治様 ライバルの君へ

の10通

 

単行本にはその他に

  • 宮本慎也様 ヘッドコーチを務める君へ
  • 伊藤智仁様 独立リーグ監督を務める君へ
  • 甲斐拓也様 名捕手へ、成長途上の君へ
  • 清宮幸太郎様 プロ1年目の君へ
  • 江本孟紀様 あまのじゃくな君へ
  • 門田博光様 頑固な“クソ努力家”の君へ
  • 稲尾和久様 同志の君へ
  • 母ちゃんへ 育ててくれたあなたに
  • 克則へ 大切な息子に
  • 沙知代へ 愛する妻に
  • 日本プロ野球にかかわる人たちへ リーダーのみなさんに

の11通を含めて全21通の手紙から構成されています。

 

それぞれが、『リーダーへ』『挑戦者へ』『個性派へ』『恩師、友へ』『家族へ』『遺言』の章に分かれています。

なので、構成はシンプルで簡単に読める字数なのですが、第二次世界大戦中にデビューした恩師鶴岡一人氏から今年2018年にデビューしたばかりの清宮幸太郎選手までへの送る言葉の中に、自身のテスト入団生として南海ホークスに入団後の選手時代、監督時代、評論家時代を重ね合わせながら語った、まるで大河小説のような重みのある内容になっています。

 

私がこの中で特に好きなのが、新庄剛志氏に宛てた手紙です。

宇宙人っぷりを発揮する新庄選手をあの手この手でコントロールする野村監督の絡みが絶妙で、野村氏はこういうクセの強い選手に対してこそ口ではボヤキつつも愛情を持って見守っているというか楽しんでいるというのがよくわかります。

(それに比べると、愛弟子ともいえる古田敦也氏に対する言葉には案外距離を置いたようなスタンスを感じます。おそらく一番弟子ともいえる存在ゆえの距離感なのでしょう。)

 

もちろん大谷翔平選手に宛てた手紙もあります。

ただ、田中将大選手などに比べると直接指導した選手ではないので、評論家としての視点にはなっています。

大谷選手の二刀流に対する持論、左打者大谷のレフト方向への打球の多さを典型的な引っ張り打者である王貞治氏のエピソードを持ち出して比較、投手大谷のストレートは阪急ブレーブスの山口高志投手と比較、もし打者大谷と対戦したらどのような配球をするか、投手大谷と対戦したらどのように打つかといった話を次々と野村氏ならではの洞察力で説明しながら、最後は「あの天才・大谷でもあれだけ練習しているんだよ」と野球指導者が子供たちに言えるように、自分の努力する姿をもっと表に出して欲しいという注文をつけて締めくくっています。

 

 

私自身にとって、野村克也氏で思い出すのがまずは母親です。私が小さいころから一家がジャイアンツファンだった中、母親だけが何故か野村選手(まだ現役のころです)にぞっこんでした。ずいぶん渋いひとが好きなんだなと子供心に思ったものです。(笑)

その後は、ワイドショーを賑わしたサッチーさんの方がインパクトが強い一方で、特にヤクルトの古田を育てたころの名監督ぶりが印象に残るというような、世間一般の人が持つ『ノムさん像』を持っていた時代を経て、最近になってひしひしと感じるのが、人間国宝級と思えるほどの野村氏の持つ野球理論の奥深さ、また『ボヤキ』の奥にある愛情の奥深さ。

故人も含めて、数々の日本球界の大御所がいる中で、この人が頂点なのではないかと思えてしまうのです。

 

野球ファンにはぜひお薦めしたい1冊です。

 

 

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