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『サヨナラ』は英語で”walk-off” この言葉の裏に意外な事実があった?MLB語彙集

walk-off homerun
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Sho Time イングリッシュは、米メディア記事全文和訳で、大谷翔平選手の新着ニュースをより詳細にお伝えするサイトです。

あの野球用語は英語でどういうの?この野球用語の由来は?あの野球用語の定義は?

MLB公式サイトのMLB.com には “Glossary” という語彙集のページがあります。

ときどきこちらから、気になる野球用語をご紹介しながら英語の勉強をしたいと思います。

 

今回は『サヨナラ』ホームランや『サヨナラ』ヒットなど、日本語でいう『サヨナラ』にあたる “walk-off” という言葉についてご紹介します。

実はこの “walk-off” という言葉にまつわる意外で興味深いエピソードが添えてありました。

 

 

“walk off” は殿堂入り投手の言葉から生まれた

 

MLB公式サイトの用語集に記載された定義を見てみましょう。

Walk-off 

Definition
A “walk-off” is any offensive play that gives the home team the lead — and thus, the win — in the bottom of the last inning.

Walk-off『サヨナラ』

定義

『サヨナラ』はホームチームに最終回の裏に勝ち越し ー すなわち勝利 ― をもたらすすべての攻撃プレイ。

Origin
The term walk-off originated as “walk-off piece,” and was coined by Hall of Famer Dennis Eckersley. ”It was always walk-off piece,” Eckersley told the Boston Globe. “Like something you would hang in an art gallery. The walk-off piece is a horrible piece of art.”

The first reference to walk-off came in a July 30, 1988, story in the Gannett News Service: “In Dennis Eckersley’s colorful vocabulary, a walk-off piece is a home run that wins the game and the pitcher walks off the mound.”

Walk-off piece was only intended to describe a pitcher’s dejected walk off the field after giving up a game-losing home run, but it soon grew into its own phenomenon.

起源

walk-off という用語は 元々”walk-off piece” という言葉から来ており、それは殿堂入り選手デニス・エカズリーが造った言葉である。「それは

常に歩き去るシーンを描いた絵のようだよ」エカズリーはボストン・グローバルに語った。「アート・ギャラリーにかけられた絵のようなものさ。ぞっとするような絵だよ。」

walk-off という言葉に最初に言及したのは、1988年7月30日のガーネット・ニュース・サービスの記事であった。「デニス・エカズリーの多彩なボキャブラリーの中で、walk-off pieceは試合を決めたホームランとマウンドを歩き去るピッチャーを表したものである。」

walk-off pieceは、決勝のホームランを打たれた後にグラウンドを歩き去る落胆した投手の姿を表現することを意図した言葉であったが、すぐにその状況そのものを表す言葉として使われるようになった。

 

 

1988年といえば、30年ちょっと前。調べてみたらその年にあの清原和博さんがプロ入り初サヨナラホームランを打っているそうです。もちろん、日本では『サヨナラ』という言葉はそのころには定着していました。なので、メジャーリーグの長い歴史の中で、それほど最近までこの劇的なヒットやホームランを表す特別な言葉がなかったというのは驚きです。

そしてもう一つ、『サヨナラ』という言葉はどうしても打者目線で使われることが多い華やかな言葉のように思っていたのですが、本来は投手目線の実に哀愁漂う言葉だったのですね。

 

私自身、このことを初めて知って興味を持って調べてみたら、さらに詳しく書かれたニューヨークタイムズの記事を発見しましたので、ご紹介します。

Tracing the Origins of the Phrase ‘Walk-Off Home Run’ By Victor Mather The New York Times Oct. 16, 2017

 

Bryce Harper hit a walk-off grand slam on Thursday night to rally the Phillies past the Cubs, 7-5. In 2017, The Times traced the origins of the phrase “walk-off” — unknown as recently as the 1980s — in this article.

火曜日夜、ブライス・ハーパーが満塁サヨナラホームランを打ち、フィリーズがカブズに7対5で逆転勝ちした。2017年、タイムズは “walk-off” というフレーズの起源 ― 1980年代というごく最近のである ― をこの記事の中でたどっている。

When Justin Turner smacked a game-winning home run for the Dodgers, announcers, sportswriters, bloggers and fans all called it the same thing: a “walk-off.”

ジャスティン・ターナーがドジャースの勝利を決めるホームランを打ったとき、アナウンサーも記者たちも、ブロガーたちもファンたちも同じ言葉を発した:”walk-off” (サヨナラ)と。

Unknown as recently as the 1970s and 1980s, the term walk-off for a game-ending hit has become as comfortable a part of the baseball lexicon as balls and strikes.

1970~1980年代というごく最近まで知られていなかったが、試合を終わらせるヒットに使われるwalk-offという用語は、ボールやストライクと同じくらい当たり前に野球用語集一部となった。

And it’s spreading.

そして、よく使われるようになった。

The term’s first published citation was in July 1988, according to William Safire, who was The New York Times’s longtime language maven and who wrote about it a decade ago. The Gannett News Service wrote, “In Dennis Eckersley’s colorful vocabulary, a walk-off piece is a home run that wins the game and the pitcher walks off the mound.”

この言葉が初めて活字になったのは、ニューヨークタイムズで長年言葉を専門に執筆していたウィリアム・サファイアが10年前に書いた記事によると、1988年7月であった。ガーネット・ニュース・サービスは次のように書いた。「デニス・エカズリーの多彩なボキャブラリーの中で、walk-off pieceは試合を決めたホームランとマウンドを歩き去るピッチャーを表したものである。」

Yes, the Hall of Famer Dennis Eckersley, a pitcher remembered for throwing a famous walk-off to Kirk Gibson in the 1988 World Series — 29 years to the day before Turner’s shot on Sunday night.

そう、殿堂入り投手デニス・エカズリーだ。1988年のワールド・シリーズ ―それは土曜日夜のターナーのホームランの29年前だった ― でカーク・ギブソンの有名なサヨナラ打となる一球を投じたことで名を残すあのピッチャーだ。

Eckersley, now a broadcaster, owned up to coining the phrase. “I don’t remember the day I said it, but it just made sense, didn’t it?” he said. “I’m surprised no one said it before that. I hate to be associated with it because it’s like, ‘That’s the guy who gave up the Gibson thing!’ Like I need that.”

現在は解説者のエカズリーは、その言葉を作ったと認めている。「その言葉を発した日は覚えていないが、でも筋が通ってるよね?」彼は言った。「自分より前に誰もその言葉を言ったことがないというのは驚きだよ。あまり関わりたくない言葉だね。だって『あれがギブソンに打たれたやつだぜ!』みたいに言われなきゃいけないんだ。」

Now “walk-off” appears in Merriam-Webster and other dictionaries.

今や “walk-off” はウェブスター辞典やほかの辞書にも載っている。

More than a decade ago, some were already sick of the term. In 2000, Sports Illustrated wrote, “Like crab grass invading someone’s lawn, walk-off has taken root in sports lingo and gotten out of control.”

10年以上前だが、すでにこの言葉にうんざりしている人たちがいた。2000年、スポーツ・イラストレイテッドは次のように書いている「誰かの庭の芝生にはびこる雑草のように、walk-off という言葉はスポーツ用語に根付いてしまって、制御不能となっている。」

Seventeen years later, it has spread even further.

17年後、この言葉はさらに広がった。

While walk-off was once applied pretty much strictly to home runs, it soon came to be applied to game-ending singles and doubles as well. The first time The New York Times used the term appears to be in 1999, and it did not start regularly appearing in a non-home-run capacity until 2007 or so.

walk-off は当初はホームランに限定されて使われる言葉だったが、それはすぐに、試合を終わらせるシングルヒットやツーベースヒットにも使われるようになった。ニューヨークタイムズがこの用語を初めて使ったのは1999年に思われるが、2007年あたりまではホームラン意外の状況ではあまり使われることはなかった。

In 1951, Bobby Thomson hit the Shot Heard Round the World to beat the Dodgers. In 10 Times articles about the game, the famed clout was described as “the unbelievable finish of the most fantastic pennant race in major league baseball history,” “as insane and as improbable an ending as any ballgame could have” and “the wildest scenes ever witnessed in the historic arena under Coogan’s Bluff.” But not as a “walk-off.”

1951年、ボビー・トムソンが『その一打が世界を変えた(と呼ばれる本塁打)』を打ってドジャーズを破った。その試合について書かれたテンタイムズの記事の中で、この有名な一打は次のように表現されている。「メジャーリーグの歴史の中で最もファンタスティックなペナントレースの信じられないような幕切れ」「球史に残る常軌を逸したまさかのこと」「クーガンズ・ブラフ(注:ニューヨークを舞台とした映画。邦題『マンハッタン無宿』のお膝元での歴史上最高にワイルドな光景」など。しかし “walk-off” という言葉は一言もなかった。

The career record for walk-off homers? Babe Ruth, Mickey Mantle and Stan Musial all had 12. But Jim Thome had 13.

サヨナラホームランの生涯記録保持者は誰だろう?ベーブ・ルース、ミッキー・マントルとスタン・ミュージアルは12本。ジム・トーミが13本である。

Nowadays there are “walk-off hit by pitches” and “walk-off balks,” as virtually any sudden ending to a game seems to qualify for the term. The Blue Jays-Rangers division series in 2016 ended on a walk-off error.

いまや、「サヨナラ死球」や「サヨナラボーク」という言葉も存在し、実質試合を突然終わらせるすべてのプレイにこの言葉が使われるようだ。2016年のブルージェイズ対レンジャーズのディビジョンシリーズは、サヨナラエラーで終わっている。

The term has even spread to other sports, like football, where you might hear about a walk-off field goal or touchdown.

Less common, but not unheard-of, is the walk-off basket or the walk-off goal.

この言葉は他のスポーツにも広がっている。例えばフットボールでは、サヨナラフィールドゴールやサヨナラタッチダウンという言葉を耳にするかもしれない。あまり一般的ではないが、バスケットボールのサヨナラゴールということも聞かないわけではない。

In Japan, the term for such a hit is the even more expressive “sayonara home run.”

日本では、このような一打を表す言葉として「サヨナラホームラン」とさらに表現豊かに表される。

Though “sayonara” is ordinarily translated as “goodbye,” it has much more finality to it; you would not say “sayonara” if you expected to see a person tomorrow, for example. That makes “sayonara home run” an even more decisive and dramatic term.

「サヨナラ」は通常 “goodbye” と訳されるが、”goodbye” よりもっと最後で決定的というイメージを持つ語である。たとえば、明日会うひとには「サヨナラ」とは言わない。つまり、「サヨナラホームラン」はより一層決定的でドラマティックな言葉なのである。

 

いかがでしょうか。面白い記事ですね。途中紹介されていたトムソンの一打は、ナショナル・リーグのリーグ優勝をかけたプレイオフで放たれた、メジャーリーグの球史に残る伝説の一打ということですが、そんな歴史的ホームランでさえ、”walk-off homerun” という特別な呼び方では呼ばれてなかったようです。

また、最後の日本の「サヨナラ」という言葉の考察も興味深いものでした。

 

 

日本の野球史上もっとも有名なサヨナラホームラン

さて、メジャーリーグで “walk-off” という言葉が使い始められたのが1988年ということであれば、日本で「サヨナラ」という言葉が使われたのはいつごろなのでしょう。

明確な起源はわかりませんが、少なくとも1959年にはすでに普通に使われていたという証拠を見つけました。

それがこの記事です。

 

 

おそらく日本球界史上最も有名なサヨナラホームランといえる、ミスターこと長嶋茂雄さんによる天覧試合でのサヨナラホームラン。

これは1959年のことですが、記事の見出しにもしっかりと『サヨナラ』の文字がありますね。

つまり、少なくともメジャーリーグで、この劇的なホームランが特別な言葉で呼ばれるようになったよりも30年前には、すでに日本で『サヨナラ』という言葉が一般的に使われていたということですね。

 

 

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